- 1 岡清華さん
- 1.1 4年間の管理栄養士の学びの中で抱き続けた違和感。 国家資格を取得しても得られなかった答えを求めて出会ったアーユルヴェーダ。ヨガはその一部だった
- 1.2 食事・感情・運動の関連性を学ぶことで答えに近づける
- 1.3 「一生の中のたった1ヶ月。騙されたと思ってやってみたら?」という師匠の言葉から始めたヨガ。
- 1.4 アーユルヴェーダやヨガを学ぶことでたどり着いた「ホリスティックな目線での栄養、食事の方法」
- 1.5 健康や人生に向き合う上で一番のハードルは「自分の心」だった
- 1.6 100%なんか誰にもできない、1を続けることの意味
- 1.7 あなたがあなたらしくいることこそが最も輝いている姿
- 1.8 知恵ではなく、活用のためのガイドラインを届けたい
- 1.9 混ざり合うための妥協点を見つけることが私の役目
- 1.10 情熱を持ち続けて、一歩踏み出してほしい。
- 1.11 関わる人にとってのお母さん、ホームのような存在でありたい。
- 1.12 好きなかたちでアーユルヴェーダに触れられる場所
- 1.13 「生き方の取扱説明書」
- 1.14 「人生をより良くする」ゴールを見失わなければ調和していける
岡清華さん
- Mother株式会社 代表取締役
- MOTHER founder
- Ayurveda & Yoga
- 管理栄養士
「食」について正しい知識を求め、管理栄養士の資格を取得する。2015年にハワイでアーユルヴェーダを学び、全米ヨガアライアンスを取得。ヨガトレーナーを経て2019年1月に独立。「全ての人々より良い人生をサポートし個性が輝く状態へ導く為の母親のような存在でありたい」という思いで“MOTHER”創業。
4年間の管理栄養士の学びの中で抱き続けた違和感。
国家資格を取得しても得られなかった答えを求めて出会ったアーユルヴェーダ。ヨガはその一部だった
実はもともとRYTを目指していたわけではないんです。
アーユルヴェーダの概論が知りたくて、アーユルヴェーダを根本から学ぶにはどうしたらいいのかと考えて、調べていたらどうやらヨガも実践する必要があるということを知りました。
当時、見つけたものがアーユルヴェーダを学ぶことが出来て、ヨガの資格コースの一部となっているものでした。正直ヨガに最初は興味がなかったんです。アーユルヴェーダの一部にヨガがあるということで、必要なら…くらいに思っていました。
4年間学びたかった栄養学を勉強をして、管理栄養士国家試験に向けて知恵を蓄えていましたが、そこに私の当時の疑問の全ての答えはありませんでした。段々と違和感でさえも感じ始めていました。
私には30年以上糖尿病と付き合い続けている祖父がいるのですが、同じ食生活をしていても元気な方もいる、これらの差はなんなんだろうとずっと考えていました。
管理栄養士の勉強の中にはそういった人間の性質の個体差みたいなものの概論は含まれていなかったんです。カロリーや栄養素などの物質的数値的なガイドラインしかなかった。どこに答えがあるんだろうと常に模索していたように思います。
食事・感情・運動の関連性を学ぶことで答えに近づける
理論として絶対的な正解があったとしても、それを選択をできるかどうかは別だと思っています。例え正解を知っていたとしても感情が乱れていたらその正解を選択することはできません。イライラした時に何か食べたい!という欲求に勝てない、ということなどは誰しもが経験しているんじゃないでしょうか?もちろん私もです。(笑)
食だけじゃなく、したいと思っていることが出来ない感情などのマインドの部分と食事との関係性や、運動しているときとそうでないときの食事への向き合い方の変化もあると感じていたので、食事・感情・運動の3つが必ず絡み合っていると思っていました。
どこかに答えがあるという想いで出会ったアーユルヴェーダの先にヨガがあったんです。これらの疑問を解決できるのであれば体験する必要があると思いました。
「一生の中のたった1ヶ月。騙されたと思ってやってみたら?」という師匠の言葉から始めたヨガ。
運動は昔は、ジョギングをしたり筋トレをしたりと様々していました。そして実は“止まる“ということがとても苦手だったんです(笑)運動するときはいつも激しく動いていて、じっとすることが本当に苦手で静的な動きは私の生活の中には全くといっていいほどにありませんでした。立ち止まることは負けだと思っていましたね(笑)
そこで師匠に人生の中でみたら短いんだから、騙されたと思って1ヶ月だけやってみれば?と言われて、やってみることにしました。太るから、などと思って糖質もそれまでずっと抜いていたけどしっかりとバランスよくお米も食べてみたり、瞑想や呼吸法も最初はやらなきゃいけないから・・・と思いながらやっていました。
でも徐々に、自分の心と身体が「お?なんか心地いいな?生きやすいってこういうことかな?」と感じ始めた時がありました。そこからはとてもワクワクして、やる気も満ち溢れて、今までにない感覚を得ることができているなと思いました。
アーユルヴェーダやヨガを学ぶことでたどり着いた「ホリスティックな目線での栄養、食事の方法」
どこに答えがあるんだろうと常に模索している中で、管理栄養士の学びを始め、その学びを得た上でまだ足りない…と東洋的な視点で再び学び直しすることになりました。医療も統合医療という時代ですが、食の業界もそうある必要があると思ったのです。
食事においてもカロリーや栄養素などの理論的な部分の上で東洋的なメソッドがありつつ、人体についても、環境についても考えられるというホリスティックな目線での栄養、食事の方法を今は一番大切にしていますし、ここが私がたどり着いた場所でした。
健康や人生に向き合う上で一番のハードルは「自分の心」だった
自分自身が、健康や人生に向き合っていくうえでハードルになったのは自分自身の心でした。理解していても食べたいという欲求、なまけたいという気持ち、仕事に対してもそうだし心身を整えるところに対してもそうですけど、自分の心をコントロールするというところが一番しんどかったですね。
哲学的な部分がヨガやアーユルヴェーダの要素には含まれていて、それらを学んでいくことでその難しさの意味も分かりましたし、それらへの理解がいかに重要かを知っていきました。
アーユルヴェーダの理論もいわゆる理論なので、頭で分かっていてもできないというときにどうやって行動や選択、実践するかというプロセスが一番難しいところ。
管理栄養士のお仕事でも、伝えることで相手の生活や習慣を変えていくような仕事ですが自分のコントロールが出来ていない状態で、誰かの何かを変えていこうとすることがとても難しいことだと感じていました。
結局、心。自分の心を変えることが出来ていないのに人の心を変えることもできないから、誰かのことを傷つけているんじゃないか、正解を押し付けることによって良いことをしているようで実はそれは違うんじゃないかとという思いに学生時代は苦しんでいました。
人の人生に何か介入することが正しいかどうか分かりませんでした。これは今でも正解は分かり切っていないですが、哲学を学ぶことによってどういう風に生きたらいいのか、人間関係をどのように構築して行けばいいかも学べたように思います。活動する上でこの哲学からの学びは大きな基盤になっています。
100%なんか誰にもできない、1を続けることの意味
人は皆、それぞれの性質を持っているから同じことをしてもみんなが同じ体感をできる訳でもなく、ライフスタイルもバラバラだから、同じことができる訳でもないですよね。
できることからできる範囲で、できる時にやっていくということが大切だと感じています。現代は、男性社会の中で頑張らなきゃいけない状況の女性も多いと思うので0か100ではなく1でもいいから、ほんの少しでもいいから、その小さな1を続けていくことが何よりも必要なことだとと考えています。100%完璧になんか誰にも出来ません、1を続けていくことが最大の価値であり意味があることなんです。
あなたがあなたらしくいることこそが最も輝いている姿
色々なことをお伝えしていく中で、人生のモデルケースなど、人生における固定概念を全部壊していけたらと思っています。人にはそれぞれに唯一の個性があるのだから、自分の長所や短所を自分で認識することが大切だと思っています。
私は「あなたがあなたらしくいることが1番の輝いている姿である」と思っているんです。 正解もなければ、失敗もない、正しい、間違いなどの分野ですらない、100人いたら100通りの生き方や幸せの価値観があります。
知恵ではなく、活用のためのガイドラインを届けたい
アーユルヴェーダライフという言葉も、そもそも人それぞれのライフスタイルがあるから、アーユルヴェーダのライフスタイルそのものに合わせるのではなく自分のライフスタイルにアーユルヴェーダを活用するという価値観を持ってもらえたら嬉しいです。
何事も洗脳されるのではなく、自分の生活に活用させていくという捉え方が大切です。 「自分の意思で選んでいる」という感覚が何においても重要だと思っています。そのためにも私は、アーユルヴェーダの知恵をただ伝えていくのではなく、どういう風に活用していけばいいのかという取扱説明書のような、ガイドラインのようなものを伝えていくことを大切にしています。
アーユルヴェーダライフを完璧にやらなきゃ!と苦しんでしまう方も多くいるので、その必要はないということを伝えたい。自分の発する言葉の重みを常に意識しています。
混ざり合うための妥協点を見つけることが私の役目
おかげさまでいろいろな企業様ともコラボをさせていただいていますが、0か100の考えではそれこそコラボなんて出来ません(笑)例ですが、世界を明るくするためには大きな光の塊の太陽のような存在を無理して作るのではなくて、小さな星屑のような光を散りばめることでも結果的に明るくなると思っていて。同様に私が、アーユルヴェーダを伝えたいと考えたときに、全体のたった1部の小さな価値観だけでもいいから、アーユルヴェーダの理論を現代のいろんな分野の色んなところに散りばめていくことが大切だと考えています。
どうしても、ここだけは…!という譲れないところだけ守ってそれ以外は、できる可能性を見つけていくこと、妥協点や共通点を見つけてくことが大事で、その常識を崩していくことが私の役目だとも思っています。 私の好きな言葉の中に「両極端な二つでも混ざり合う部分を見つけていけば共存できる」というのがあって、 これまでの経験の中でほんの少しでも混じわる点を見つけられればそこに新しい価値や関係性が生まれると感じています。
アーユルヴェーダを伝えたいという自分自身の思いよりもお客様が受け取った時にどんな価値を受け取れるかということを考えることを大切にしています。カジュアルな、現実的な、実現可能な形でのアーユルヴェーダの伝え方をしていきたい。
情熱を持ち続けて、一歩踏み出してほしい。
これまで多くの経験をさせて頂いて、大きなイベントにも登壇させていただいたりしていますがそれらの経験よりも、独立前や下積み時代にコツコツやってきた自主開催のイベントだったり、テーマを与えていただいて自分でテーマに合わせて構成から考えてやっていたようなイベントやWSがすごく心に残っています。
正直、最初が全てが苦しかった。
一人で企画して、集客して、集金して実施して、片付けもして、アンケートやフィードバックを送って次のイベントを考えてということを繰り返していました。
月に1回イベント開催をするという担当を1年半任せていただいていたのですが、その経験が今の仕事にも全て集約されているような気がしています。その時苦しくてもコツコツと積み重ねてきていたことが本当に印象に残っているし、為になっています。最初の最初は本当にしんどかった時期。
ただ自分自身それらも経験してきたからこそ、生徒さんたちが一歩を踏み出す時に、「大丈夫。情熱が途切れなかったらなんだって叶えられるよ。でも情熱や自信(自分との信頼関係)が途切れてしまうと何もできないから、自信を持ち続けることが大切です。」と声をかけてあげられるんだと思います。
これまでを振り返るとやはり最初の苦しかった時期のことがとても印象的に思い出されます。ありたい自分であるために何年かかるかは人それぞれだし分からないけどぜひ皆様にこの自然の法則によって得られる心地よさにたどり着いてほしいですね。自分にも出来たからこそ伝えたい。
関わる人にとってのお母さん、ホームのような存在でありたい。
今までの様々な経験を経て、これからの自分がどんな人間でありたいか、どんな組織を作っていきたいか、自分自身や自分が発信するもの、提供するものが世の中にとってどういう存在でありたいかを考えたんです。
そう考えたときに私が尊敬しているのが、実の母で。世の中の全ての生みの母という存在に対しても尊敬しています。 有難いことに私の母は個性をいつも認めてくれていて、尊重してくれていました。今になって振り返ってみるとそれは当たり前のことではなく、私の人間性や個性を輝かせる大切な基盤なのでした。
そして、私も誰かにとってのお母さんみたいにな存在になれると嬉しいなと。次第に、そんな活動ができたら。と思うようなりました。それぞれがそれぞれの持つ「個」に気づき、尊重し、自分だけの価値を育て、輝くためのきっかけになるような場所。生命の起源や全ての調和の術を知るアーユルヴェーダの根付くお家のような第二のホーム的存在で在れるようにとMOTHERという名前で活動を始めました。
好きなかたちでアーユルヴェーダに触れられる場所
独立をしてから、様々な経験を経て、まず一番に重要だと思うことを学びました。それは、“何をするかよりも、誰とするか“ ということでした。 想いや志に強く共感し、共鳴できるような存在が必要であり必須だと。そんなことを思いながら、自分の想いをSNSなどで発信し続けていると、共感する!と言ってメッセージをくださる方が、一人、二人と集まってきてくださって…それが今あるコミュニティや今の活動の全ての基盤になっていきました。
輪になって語り合っているような横の繋がりが感じられる世界観で、それぞれの人生や価値観があった上でものが作られていく場所。たったひとりとの出会いが欠けても成り立たなかった。と思えるような活動が理想的であります。人間同士の一期一会の関わりって、そういうことだと思うから。そうして活動をさせていただく内に、関わってくださる皆様からの意見を取り入れながらその時その時でできることから行っていると、事業やコンテンツが自然と増えていました。
在り方を共感し合うこと=コミュニティから始まった、アーユルヴェーダの深く壮大なメソッドをどんなところからでも得られるコンテンツを考えつく限りで形にしてきましたし、これからも時代の変化やニーズの変化に合わせて益々展開していきたいと思っています。それぞれの人が、それぞれのタイミングで、それぞれのできることをできることから、アーユルヴェーダに触れられる場所をこれからも創造していきたいと思っています。
「生き方の取扱説明書」
私にとってのアーユルヴェーダは「生き方の取扱説明書」
まさに本来の機能を、自分の能力を、最大化できるように導いてくれるような存在です。
いざというときに頼ることができる、必要な時に必要なことを得られるような説明書として、必要な時にこの知恵を持っておいてもらえるといいなと思っています。
特に心身全てに悩みもなくて満たされている時には、必要のないものだと思っているからこそ、困ったときの駆け込み寺、迷った時のトリセツ、のような存在としてアーユルヴェーダの考え方を頭の片隅に入れていただければと思います。
「人生をより良くする」ゴールを見失わなければ調和していける
情報を提供する私たちは無限大の可能性があると思っていますが、混乱を招く可能性も同時に持ち合わせていると思っています。だから責任もあると思うんです。
人が笑顔になったり、幸せになるためには…という一つの目標に対して、どんなところから情報やコンテンツに触れても、最終的にはそのゴール(目標)にたどり着くように業界全体で発信していけると素敵だなと思います。
最近少し感じているのは、伝える側も受け取る側も目的を見失いがちだということ。 健康にならなければいけない、正解を伝えなければいけないなどが先立ちしてしまって なぜなぜそれを学ぶのか、伝えようと思ったのかという抜本的な部分を見失ってしまうことが多い。そうすると何か不調和が生まれるんですよね。
人生をより良くしたいというゴールがある中で、何をするかなどのDoの部分は極端に言えばなんでもいいと思っていて、どうありたいかをというBeの部分を見失わないようにすることは、伝える側も、受け取る側にしても大切です。ゴールを見失わなければ調和していける、何回も目的を見失った私だからこそ大事だと思っていますし、伝えられることだと思っています。
MOTHER
https://www.mother-japan.com/
”自分が自分の医者になる。人生を楽しみ切るためのライフスタイルの知恵” ー 世界最古の予防医学を人にも環境にも良い形で現代日本に活かす。 MOTHERは、伝承医学アーユルヴェーダを基に現代の日本にフィットした形で、様々なコンテンツを提供しています。人々の個性を見極め、個々の人生の豊かさや真の健康、幸福をサポートし日々のコンディションを高め、維持するお手伝いをさせていただきたい。自分の人生の幸せを一番に考え、導いてくれる母親のような存在の組織でありたい。MOTHERはそんな思いで活動を続けています。