安斎麻衣さん
- あんずミルク代表
福島県郡山市であんずミルクを開業。ベビーマッサージ・ねんね講座を開催。講師として、育児支援関連の施設や公民館などでも活動している。
IHTA指定校として、チャイルドボディセラピスト資格講座も開催。
また大学生・専門学校生向けのベビーマッサージ資格(チャイルドボディセラピスト3級講座)講師の活動もしている。
自分の子供になんとなくやってあげたら、気持ちよさそうにしてくれた
わたしが「ベビーマッサージ」というものを認識したのは、自分の子供に独自のベビーマッサージをしてあげるようになった後でした。
東日本大地震の年に出産し、引きこもりがちで、当時は初めての育児に大きな不安を感じていました。そんな時、ふとスキンケアとして子どもの体に植物オイルを塗ってみたら、すごく気持ちよさそうな顔をしてくれました。その時に、「赤ちゃんもこんなに気持ち良さそうな顔をするんだ!」と強く印象に残ったのを覚えています。この体験が、自分なりの子育てに自信を持つきっかけになりました。
その後、メディアで赤ちゃんへのマッサージがベビーマッサージとして取り上げられているのをたまたま目にし、自分がやっていたことはベビーマッサージだったのだと知りました。
知識なしでやってもすごく素晴らしい経験だと思ったので、きちんと学びたい、他のママにも伝えたいと強く感じました。
肩の力を抜いて、たくさん触れ合ってほしい
ベビーマッサージを伝える仕事がしたい、と思ってからはすぐに資料を請求して入校。卒業してからは、子育てと両立しながら、自宅でベビーマッサージの教室を始めました。
レッスンに来てくださるお母さんには、肩の力を抜いて、たくさん触れ合ってほしいということをお伝えしています。
お母さん自身が幸せであることが、子どもの幸福度アップにもつながると思っています。
お母さんは何となく、なんでもお子さんのことが第一にあって自分のことは後回し、ちょっとしたスキマ時間にお母さん自身のことをやる、という感覚の方も多いのかなと思うんです。
でも、お母さんが辛いままでいてしまうと、お子さんの幸福度も上がりにくい。お母さん自身が幸せであることがお子さんの幸せにつながるんだよ、ということ知ってほしいという想いで活動しています。
親子の触れ合いの中で、自己肯定感を育ててあげてほしい
もう一つは、ベビーマッサージはこれから赤ちゃんが生きていくための全ての土台となる自己肯定感を育むということ。これは、レッスンの中で言葉にして詳しく説明することはあまりありませんが、一番に伝えていきたい想いです。
お子さんのこれからの人生の中で、挫折したり壁にぶつかったりすることがあると思います。そんな時に、色んなことを乗り越えていくための土台として、親子のふれあいで自己肯定感を育ててあげてほしいと思っています。
色々な生徒さんが、それぞれの強みを持っている
現在はIHTA指定校として、チャイルドボディセラピスト資格講座も開催しています。また大学生・専門学校生向けのベビーマッサージ資格(チャイルドボディセラピスト3級講座)講師の活動もしています。
自身の教室の生徒さんと学生さんに教える機会をいただいて、立場によってそれぞれの強みがあるなと感じています。
教室に通ってくださるママさんが資格を取りたいという場合は、目の前にいる子供を幸せにしたいという気持ちに溢れていて、すごく温かくて優しいベビーマッサージだなと感じたり、保育系の学生さんはアレンジや表現が豊かだと感じたりします。他にも、みんな違った強みを見せてもらえるので私も刺激をもらっています。
たくさんの赤ちゃんの成長を見守らせてもらえるのが嬉しい
このお仕事をしていて、たくさんの赤ちゃんの成長を一緒に見守らせてもらえることがすごく嬉しいです。初めてのお子さんと教室に通った後、また2人目、3人目とも贅沢な時間を過ごしたいと長く教室に通い続けてくださる方もたくさんいらっしゃいます。
お母さんも笑顔になってくれて、感想メールをもらえるとやりがいを感じますね。親子で触れ合えて楽しかった、子どもが笑ってくれて嬉しかった、ベビーマッサージの後はいつもよりよく寝てくれた、悩んでいた便秘がなくなった、など嬉しいお声をたくさんいただきます。
たくさんの子どもたちに「ふれあい」を届けたい
今後も今までと同じように、多くの親子の笑顔のお手伝いができるように、一つ一つ積み上げて活動を続けていきたいです。
今はコロナ禍で休止中のクラスもありますが、お母さん同士でお子さんの成長を共有できる場を提供したいと思っているので、少しずつクラスやレッスンの人数もコロナ前のように増やしていけたらいいなと考えています。
そして、人との繋がりが減ったコロナ禍だからこそ、ママたちの孤独感に寄り添っていける場が必要だとも感じています。
また、以前から様々な事情から親御さんと一緒に生活できない子どもたちがいる乳児院にお伺いしてベビーマッサージを伝える活動をしています。
感染症対策の影響で最近は伺えていないので、コロナが落ち着いたら、そちらも積極的に活動していきたいと思っています。
当時、ベビーマッサージなどでの開業ママが急増しており、ベビーマッサージと言うと「ステキなママ像」というイメージが強まっているように感じていました。
そんな中で、ふれあいを必要としている人の所までベビーマッサージはきちんと届いているのかな?と疑問を持ち、必要としている子どもたちへもっと届けたいと思いました。そのことを、勇気を出して自分から乳児院の方へお伝えしたところ、ボランティアとして受け入れてくださいました。
コロナ前のことにはなりますが、ベビーマッサージの後は、ミルク授乳のお世話などにも参加させていただいています。
子どもたちにとって職員の皆さんは、教室に来てくださるパパ・ママと変わらない、とても愛情深く接してくれる存在です。だからこそ、乳児院でも普段のレッスンと同じようにお伝えしています。
子どもたちに、産まれてきてくれて、ありがとう。大好きだよ!というのが伝えたいこと。(もちろん親子向けレッスンも同じですが!)
様々な事情を持つ子どももたくさんいると思いますが、どんな環境で育つお子さんにも、同じように伝えていきたい想いですね。
講師もお母さんも幸せになれるお仕事です
赤ちゃんの時期というのは、すごくわずかな貴重な時期だと思うので、その人生のものすごい成長スピードの時期に立ち会わせていただけることを、自分の仕事としてできることはすごく幸せを感じます。
ぜひみなさんも、講師もお母さんも幸せになれるベビーマッサージをお仕事にしていただきたいと思います。