楽しく遊んで運動神経を鍛える!コーディネーショントレーニングのすごい効果とは?

楽しく遊んで運動神経を鍛える!コーディネーショントレーニングのすごい効果とは?

幼児期に適切な運動を取り入れることで、将来の運動能力や健康に大きな影響を与えることがたくさんの研究によって分かってきています。

でも、どんなトレーニングを組み込めばいいのか、さっぱり分からない。そんなときに有効なのが「コーディネーショントレーニング」です。

なぜなら、多くの研究が幼児期のコーディネーショントレーニングが運動神経の発達に非常に効果的であることを示しているからです。

ということで、本記事では以下のポイントについて詳しく解説します。

本記事の内容
  • コーディネーショントレーニングとは何か
  • トレーニングの具体的な方法
  • 幼児に対するトレーニングの有用性とその根拠

    本記事を読むことで、遊びながら幼児期の運動神経を効果的に鍛える方法がわかり、健やかな成長をサポートできます。

     

    コーディネーショントレーニングとは?【遊びを取り入れた運動神経の鍛え方】

    コーディネーショントレーニングとは?【遊びを取り入れた運動神経の鍛え方】

    コーディネーショントレーニングは、遊びを通じてお子さんの運動神経を効果的に鍛える方法です。

    このセクションでは、まずコーディネーショントレーニングの歴史や目的について説明し、その後、ゴールデンエイジにおけるトレーニングの効果について詳しく紹介します。

     

    コーディネーショントレーニングの歴史

    コーディネーショントレーニングの概念は、20世紀初頭にヨーロッパ、特にドイツやスカンジナビア諸国で発展しました。

    1960~70年代になるとドイツを中心に、コーディネーショントレーニングが具体的なトレーニングメソッドとして発展。この時期には、さまざまな運動能力を総合的に高めるためのプログラムが作成されました。

    2000年代以降になるとアスリートのパフォーマンス向上だけでなく、一般の人々の健康増進やリハビリテーションにも広く利用されるようになりました。

    日本でも、1970年代以降、コーディネーショントレーニングが導入されました。特に、幼児教育や小学校の体育教育で積極的に取り入れられています。

     

    コーディネーショントレーニングの目的

    コーディネーショントレーニングの目的は、お子さんの運動神経を多方面から鍛えることです。

    なぜなら、幼児期に多様な運動を経験することが、将来の運動能力や健康に大きな影響を与えるからです。

    コーディネーショントレーニングの目的
    • 運動能力の向上:全身を使った運動を通じて、筋力や柔軟性を高めます。
    • 協調性の発達:手足の動きを調整し、バランス感覚を養います。
    • 認知機能の向上:遊びを通じて、注意力や判断力を育てます。

    例えば、リズム遊びやバランスゲームを取り入れることで、お子さんは楽しみながら運動神経を鍛えることができます。これにより、日常生活やスポーツ活動でのパフォーマンスが向上します。

     

    ゴールデンエイジにおける効果

    ゴールデンエイジ(おおよそ5歳から12歳)は、運動神経が最も発達しやすい時期です。この時期に適切なトレーニングを行うことで、将来の運動能力が大きく向上します。

    この時期は神経系が急速に発達し、運動習慣が定着しやすいためです。

    ゴールデンエイジにおける効果
    • 運動スキルの向上:多様な運動を経験することで、基本的な運動スキルが身につきます。
    • 自信の向上:運動を通じて成功体験を積むことで、自信が育まれます。
    • 社交性の向上:グループでの運動を通じて、協力やコミュニケーション能力が発達します。

      ゴールデンエイジにおいてコーディネーショントレーニングは、お子さんの将来の可能性を広げる重要な役割を果たしてくれます。

       

      コーディネーショントレーニングの7つの基礎能力

      コーディネーショントレーニングの7つの基礎能力

      コーディネーショントレーニングは、お子さんの運動神経を多方面から鍛えるために、7つの基礎能力を発展させることが期待されています。

       

      ① リズム能力の向上

      リズム能力は、一定のテンポやリズムに合わせて身体を動かす能力です。なぜなら、リズム感はスポーツやダンスなどの多くの運動において重要な要素だからです。

      遊びを取り入れた具体例
      • リズム遊び:音楽に合わせてステップを踏むことで、自然とリズム感が養われます。
      • 縄跳び:一定のリズムで跳ぶことで、リズム感と持久力が向上します。

        リズム能力を向上させることで、お子さんは運動のパフォーマンスを高めることができます。

         

        ② バランス能力の鍛え方

        バランス能力は、身体のバランスを保つ能力です。この能力が高いと、転びにくくなり、安全に運動を楽しむことができます。

        遊びを取り入れた具体例
        • 片足立ち:片足で立ち続ける練習をすることで、バランス感覚が鍛えられます。
        • 平均台歩き:細い板の上を歩くことで、集中力とバランス能力が向上します。

        バランス能力を鍛えることで、日常生活やスポーツにおいて安定した動きができるようになります。

         

        ③ 定位能力の強化

        定位能力は、空間の中で自分の位置を正確に把握する能力です。これは、スポーツや日常生活での移動において非常に重要です。

        遊びを取り入れた具体例
        • 鬼ごっこ:他の子供たちと追いかけっこをすることで、位置感覚が自然に鍛えられます。
        • マーカーを使ったドリル:地面に置かれたマーカーを使って素早く移動する練習を行います。

        定位能力を強化することで、動作がスムーズになり、怪我のリスクも減少します。

         

        ④ 連結能力の発達

        連結能力は、身体の各部位を協調して動かす能力です。この能力が高まると、より複雑な動きがスムーズにできるようになります。

        遊びを取り入れた具体例
        • キャッチボール:手と目の協調性を高める練習として最適です。
        • ダンス:全身を使った動きで、連結能力が鍛えられます。

          連結能力を発達させることで、運動全般のスキルが向上します。

           

          ⑤ 変換能力を養う

          変換能力は、動作の方向やスピードを迅速に変える能力です。スポーツや遊びの中で重要な役割を果たします。

          遊びを取り入れた具体例
          • カラーボール拾い:色の指示を次々と変えることで、迅速な動作の変換を促します。
          • 風船タッチゲーム:風船の動きに合わせて素早く動き、方向を変える練習になります。

          変換能力を養うことで、俊敏性が向上し、よりダイナミックな動きが可能になります。

           

          ⑥ 反応能力を高める方法

          反応能力は、外部からの刺激に対して素早く反応する能力です。ゲームやスポーツでの成功に直結します。

          遊びを取り入れた具体例
          • 反射ゲーム:光や音に反応して動く練習を行います。
          • 相手の動きに合わせた練習:例えば、相手がボールを投げた瞬間に動く練習です。

            反応能力を高めることで、ゲームやスポーツの場面で素早く正確な動きができるようになります。

             

            ⑦ 識別能力の重要性

            識別能力は、異なる動作や状況を素早く識別する能力です。これにより、正しい判断と行動が取れるようになります。

            遊びを取り入れた具体例
            • 色や形を使ったゲーム:異なる色や形を識別するゲームを通じて、識別能力が鍛えられます。
            • 複雑なパターンの動き:複数の動きを組み合わせた練習で、識別能力を高めます。

            識別能力を高めることで、複雑な状況でも的確に対応できるようになります。

             

            楽しみながら始めるコーディネーショントレーニング(初級編)

            このセクションでは、お子さんが楽しみながら取り組めるコーディネーショントレーニングの初級編を紹介します。

            遊びを通じて、運動能力を自然に向上させることができます。

             

            ヘビさんだ!気をつけて

            ヘビさんだ!気をつけて

            足元のヘビさん!踏まずに飛び越えてみましょう。最初はそのまま置いて、慣れてきたらママが動かしてみましょう。

            ヘビさんは子どもが踏んでも痛くないもの転ばないものを選びましょう。子どもが踏んでも転ばないように気をつけてください。

             

            右タッチ左タッチ

            右タッチ左タッチ

            ママの手をタッチする遊びです。ママが前後左右に手を動かし、それを子どもがタッチします。動きに合わせて【右】【左】と声をかけてあげましょう。

            子どもの手の届く範囲でおこなっていきましょう。速度はお子さんのペースに合わせて調整してください。

             

            あっちこっち綱引き

            あっちこっち綱引き

            ママがいろいろな場所にタオルを下げて、お子さんと引っ張り合いをしましょう。バランスを崩さずに引っ張ることで、力加減とバランス感覚が養われます。

            子どもが手を放すことを想定し、安全に配慮してください。ママは子どもの引っ張る力に合わせて動きましょう。大きく動かしすぎないように注意してください。

             

            幼児に対するコーディネーショントレーニングの有用性【学術的根拠】

            幼児に対するコーディネーショントレーニングの有用性【学術的根拠】

            幼児期におけるコーディネーショントレーニングは、学術的にも効果が認められています。

            このセクションでは、山口県 至誠館大学ライフデザイン学部 井川 貴裕 先生、岡崎 祐介先生 著の 「幼児に対するコーディネーション運動が疾走、敏捷性および 跳能力に及ぼす影響」から、コーディネーショントレーニングの効果について紹介します。

            この論文では、幼児がコーディネーショントレーニングをすることで、走る速さ、素早く動く力、そしてジャンプ力がどのくらい良くなるかを調査したものになります。

            参考文献:井川貴裕、岡崎祐介(2021). 幼児に対するコーディネーショントレーニングが疾走、敏捷性および跳能力に及ぼす影響. トレーニング指導, 第3巻, 第1号, pp. 18-24.

            疾走、敏捷性および跳能力に対する効果

            15人の幼児(男の子8人、女の子7人)を対象に3か月間、毎週1回の運動教室を実施、全部で15回の運動をしてもらい、それぞれ1回目、8回目、15回目に運動能力を測定しました。

            その結果、コーディネーショントレーニングをすることで、幼児の運動能力が向上することがわかりました。特に、初めの段階で効果が大きく見られました。

            具体的な効果は以下のとおり。

            コーディネーショントレーニングの効果
            • 10m走のタイム短縮:トレーニング前と比較して、平均して0.3秒以上のタイム短縮が見られました。
            • 敏捷性の向上:プロアジリティランでのタイムが平均1秒以上短縮しました。
            • 跳躍力の向上:垂直跳びの高さが平均5cm以上向上しました。

              ただ、リバウンドジャンプにおいては有意な向上が見られなかったため、さらに長期的な運動プログラムが必要とも記されています。

               

              幼児向けコーディネーショントレーニング講座の紹介

              幼児向けコーディネーショントレーニング講座の紹介

              YMCメディカルトレーナーズスクール では1~3歳を対象としたコーディネーショントレーニングの方法を学ぶ「トドラーコーディネーショントレーニング講座」を提供しています。

               

              トドラーコーディネーショントレーニング講座の特徴

              1歳から3歳の子どもたちは、じっとしていることが難しい時期ですが、脳の発達が著しい時期でもあります。「チャイルドボディセラピストコース」では、赤ちゃんに触れることで得られる赤ちゃんとママへのポジティブな影響について学びますが、1歳になると、赤ちゃんはじっとしてマッサージを受けるのが難しくなります。

              そこで、1歳からは遊びの中にトレーニングを取り入れる方法を学び、運動能力を伸ばします。近年の研究では、この知識を運動に取り入れることで、自己肯定感や社会性も育むことができると明らかになっています。運動能力だけでなく、自己肯定感や前向きな気持ち、やり抜く楽しさも身につけられるようなレッスンを組み立てています。

               

              トドラーコーディネーショントレーニング講座の詳細は以下でご確認いただけます。

              》トドラーコーディネーショントレーニング

               

              まとめ:遊び心を取り入れたコーディネーショントレーニングで運動神経を高めよう

              本記事では、遊びを取り入れたコーディネーショントレーニングをテーマに、お子さんの運動神経を効果的に向上させる方法について解説しました。

              内容を改めて整理すると、ポイントは以下の3つです。

              本記事のまとめ
              • コーディネーショントレーニングの目的:お子さんの運動神経を多方面から鍛え、全体的な運動能力を向上させること。
              • 7つの基礎能力の発達:リズム能力、バランス能力、定位能力、連結能力、変換能力、反応能力、識別能力をバランスよく鍛えることが大切です。
              • 幼児期における運動経験の重要性:幼児期に多様な運動を経験することで、将来の運動能力や健康に大きな影響を与えます。

                コーディネーショントレーニングは、無理なく楽しく行うことが重要です。お子さんが楽しめるような工夫を凝らし、継続的に取り組むことが大切です。また、安全に配慮し、適切な環境で行うことを忘れないでください。

                 

                さらに詳しい情報や具体的なトレーニングメニューについては、当スクールの「トドラーコーディネーショントレーニング講座」の紹介ページをご覧ください。

                無料体験レッスンも実施しています。

                 

                トドラーコーディネーショントレーニング講座の詳細は以下でご確認いただけます。

                》トドラーコーディネーショントレーニング

                 

                執筆者 YMCスタッフ
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