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2019.11.15

「私たちは子どもに何ができるのか|ポール・タフ」から【非認知能力】について学ぶ

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近年、教育分野では「非認知能力」の育成に高い関心が集まっている。子どもがよりよい人生を歩むうえで、これまで重視されてきたIQや学力などの「認知能力」よりも影響力が大きいことが、明らかになりつつあるからだ

(引用元:「私たちは子どもたちに何ができるのか」より抜粋)

上記は、今回取り上げる書籍、「私たちは子どもたちに何ができるのか」のまえがきに記されている一文です。

私たちの能力の分類のひとつに、以下の分け方があります。

認知能力
非認知能力

長らく日本の学校教育ではIQや偏差値、学力といった「認知能力」が重視されてきました。

ところが社会に出て求められる能力は学力に限りません。
粘り強さ、協調性、やり抜く力、自制心、感謝する力といった力の必要性に注目が集まってきました。

こらの力は「非認知能力」と呼ばれ、非認知能力を育てるための家庭での接し方、気をつける点などについての研究が活発に行われています。

今回は2019年にYMCで新たに開講しました脳育ベビーコースにも含まれる「非認知能力」についての紹介と、本書を通じてそれらの能力を伸ばすために大事なポイントを3つご紹介いたします。

本書の概要

本書の著者ポール・タフは、ノーベル経済学賞受賞のヘックマンの研究をはじめ、世界中の研究者によるさまざまな科学的知見と先進事例を統合し、特に貧困家庭に育つ子どもにとって、非認知能力の育成がその後の人生に大きな影響力をもつことを明らかにしました。そして日本でも政府機関や教育機関が「幼少期の非認知能力の育成」をとりあげた報告書や政策提言書を作成するなど、各方面で関心が高まっています。
本書では、非認知能力を育む方法を具体的に示しています。紹介される事例は海外のものですが、日本の問題にも通じる内容が満載です。

(引用元:amazonより)

著者のポール・タフは、『ハーパーズ・マガジン』『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』に編集者・記者として在籍していた過去をもち、現在はフリーで活動するジャーナリスト。

最近では子どもの貧困と教育政策を専門に多数の執筆・講演活動を行っているそうです。

この本ではノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンをはじめ、世界中の研究者によるさまざまな知見・事例を集め、非認知能力の育成がその後の人生に大きな影響力をもつことを明らかにした一冊となっています。

非認知能力とは?

「非認知能力」はノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授が提唱する、IQや偏差値、読み書きの学力のような「認知能力」とは異なり、やり抜く力・好奇心・自制心のような能力のことを指します。

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日本では「生きる力」や「人間力」と表現されることも多いです。

「非認知能力」が高い子どもは大人になってからの学歴が高く、健康的で、生活保護率が低く、年収が高いなど、将来成功する可能性が高いことが発見され、大きな話題となっています。

つまり、非認知能力は社会でうまくやっていくための能力ともいえます。

この力を伸ばすには幼少期、特に学校に通う前の未就学児における親や周囲の大人との関わり方が非常に重要であることが分かってきました。

ポイント①:非認知能力を育むアタッチメント(愛着)

生まれて最初の12カ月のうちに温かく気配りの行き届いた子育てを経験した子供は、多くが親と強い結びつきを形成する。研究者たちはこれを「安定したアタッチメント」と名づけた。

1970年代にミネソタ大学ではじまった長期にわたる研究によれば、1歳の時点で母親との間に安定したアタッチメントが見られた子供たちは、幼稚園では注意深く、物事に集中することができ、ミドル・スクールでは好奇心とレジリエンスを示し、高校を中退することなく卒業する確率が著しく高かった。

(引用元:「私たちは子どもたちに何ができるのか」より抜粋)

乳幼児期の子育てで最も大切なことは、親子の間にいかにして良いアタッチメントを築くかということになります。

子どもは母親から無条件に受け入れられ、愛される経験を通してアタッチメントを形成していきます。

心が優しい、コミュニケーション力が高い、頭がよい、運動が出来るといった資質を育てるには「アタッチメント」が基盤となります。

アタッチメントに効果的なベビーマッサージ

乳幼児期のアタッチメントに最も有効なもののひとつとして、「ベビーマッサージ」があります。

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お母さんが優しく触れることで赤ちゃんは五感を刺激され、脳の発育にも良い影響があります。

また、赤ちゃんにマッサージをすることで、お母さんの方も情緒が安定するため、温かく気配りの行き届いた子育てを行うには非常に効果的です。

ポイント②:子どもの発達を阻害するのはストレス

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感情面で見ると、幼い時期に慢性的なストレスを受けた子供は、失望や怒りへの反応を抑えることに困難を覚えるようになる。

認知面で見ると、不安定な環境で育ち、そうした環境が生む慢性的な強いストレスにさらされた場合、複雑な指示に集中できず、学校生活にいつも不満を抱くようになってしまう。

(引用元:「私たちは子どもたちに何ができるのか」より抜粋)

小さいころに親が子どもに対して抑圧的な態度をとったり、子どもがすることに対して常にネガティブなフィードバックをすると、子どもは感情をうまく処理することができなくなり、やり抜く力や自制心といった能力が失われてしまうことが分かっています。

反対に、子どものもつれた感情に注意深く反応すれば、子どもは不快な思いにも対処できる様になります。

つまり大人の接し方によって、非認知能力の成長は大きく左右されるということです。

また、本書籍で注目すべきポイントに、非認知能力を伸ばすために子どもに学習指導を行うアプローチよりも、親子の関わり方を指導した方が効果的であるというデータも示されていました。

つまり、非認知能力を伸ばすためには、大人が適切なフィードバックを行うことがとても重要であることが書かれていました。

ポイント③:非認知能力を伸ばすには「環境」が大きく影響

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私の至った結論はこうだ。「非認知能力は教えることのできるスキルである」と考えるよりも、「非認知能力は子どもを取り巻く環境の産物である」と考えた方がより正確であり、有益でもある。

(引用元:「私たちは子どもたちに何ができるのか」より抜粋)

非認知能力を伸ばすには「環境」が大きく影響していると述べています。

また、非認知能力は、学校の授業などで教わるものではなく、環境によって身につくものであるとされています。

「環境」というと住環境や習い事は何をさせたらいいかしら?といった「物的環境」に注目されがちですが、それよりも「人的環境」、周りの大人が子どもに接するかが大切になります。

本書では「学習の積み木」という形で紹介されていましたが、自制心やストレス管理、アタッチメントといった土台が育たないと、その上にある主体性や粘り強さ、好奇心などを育てることはできません。

非認知能力を鍛えることによって、認知能力が上昇したという研究もあります。
自制心・自己管理能力が高まることで、勉強をするためのスケジュール管理などができるようになり、学力も向上するということです。

しかし、これの逆はありません。
認知能力が高まったから、非認知能力が高まった、という研究報告は未だないそうです。

まとめ

非認知能力は、子どもの将来の幸せに直結する力。

その能力は10歳くらいのまでの時期に一番身につけることができます。

また、その能力を最大限に伸ばすには周りの大人たちの関わり方がとても重要であることを紹介してきました。

YMCで提供する「育児インストラクター」養成コースでは、日常での遊び方、子どもとの関わり方、今回紹介した「非認知能力」など盛りだくさん学びます。

こちらのブログをみて、「非認知能力についてもっと学んでみたい」と思った方は、ぜひスクールへ足をお運びください。

皆さまとお会いできる日を楽しみにしています。

本日も最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

執筆者 :YMCスタッフ
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