近年、ピラティスが運動療法の一環としても注目され、理学療法の現場で積極的に取り入れられることが増えてきました。
体幹を鍛え、姿勢を改善し、運動機能を高める効果が期待できるピラティス。
一方、運動機能の回復や障害の予防に役立つ専門職として、社会貢献度の高い仕事として人気の理学療法士。
両方の資格を保持することが、それぞれの分野でどのような効果をもたらすのでしょうか。
この記事では、ピラティスと理学療法士それぞれの資格の概要と、ピラティスの資格取得までの流れ、そして理学療法士がピラティスの資格を取得することのメリットなどについて、以下の3つのポイントに分けて紹介しています。
- ピラティス×理学療法士 それぞれの資格について知る
- 専門性を深め、活躍の幅を広げるピラティスの相乗効果
- ピラティス資格取得から、その後のキャリアパスまで考える
ピラティス×理学療法士 それぞれの資格について知る
ピラティスと理学療法士それぞれの魅力を解説
まずは、ピラティスと理学療法士それぞれの特徴と魅力について、簡単にご説明します。
ピラティス
体幹強化、姿勢改善などの効果から、心身の健康増進に役立つとされています。インストラクターになるための国家資格はなく、現インストラクターの多くは民間資格を保持しています。
理学療法士
国家資格を持つ医療専門職です。病気やけがをした人のリハビリテーションを行います。大学で学士号を取得し、国家試験に合格する必要があります。
国家資格であるか否かという点では大きく異なりますが、
呼吸と連動した動きや、コアを意識した動きを重要視しているという点で、実はピラティスと理学療法は似ているのです。
以下、既に理学療法士の資格を持つ方に向けた内容となっていますが、
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専門性を深め、活躍の幅を広げるピラティスの相乗効果
ここからは、既に理学療法士の資格を保持する方向けの内容です。
理学療法士がピラティス資格を取得するメリットは大きく5つ
理学療法士がピラティス資格を取得することで得られる、多角的なメリットをいくつか紹介していきます。
運動療法の幅を広げ、より効果的なリハビリテーションを提供
ピラティスには、マットエクササイズだけでなく、チェア等のあらゆる器具を用いたエクササイズも含まれます。患者さんの状態に合わせて、適切な器具・エクササイズを選択することができます。従来の運動療法に加え、ピラティスを取り入れることで、より効果的・効率的なリハビリテーションを提供することが可能になります。
期待できる効果の例
- 筋肉強化:インナーマッスルと呼ばれる深い層の筋肉を鍛える効果が高く、姿勢改善や腰痛予防などにも効果が期待できます。
- 柔軟性向上:関節の可動域を広げる効果があるため、運動制限のある患者さんや、けがをした後のリハビリテーションに効果が期待できます。
- バランス能力改善:体幹の安定性を高め、バランス能力を向上させる効果があるため、転倒防止やスポーツのパフォーマンス向上にも効果が期待できます。
- 精神的な安定:集中力や呼吸を意識した動きを取り入れるため、精神的な安定にも効果が期待できます。
運動療法の幅を広げ、より効果的なリハビリテーションを提供
呼吸と連動した動きや、コアを意識した動きなど、ピラティスと理学療法は重要となる要素が似ています。それぞれの知識を十分に理解することで、より質の高いリハビリテーションを提供することが可能になります。またピラティスの知識を学ぶことで、生活習慣や考え方へのアドバイスもできるようになるため、患者さんのセルフマネジメント能力向上にも役立ちます。
学ぶことができる指導方法
- 呼吸法:腹式呼吸や胸式呼吸などの様々な呼吸法を学ぶことができます。呼吸を正しく行うことで、体幹の安定や、運動効率の向上なども期待できます。
- コアトレーニング:体幹を鍛えるエクササイズを学ぶことができます。姿勢改善や腰痛予防にも効果が期待できます。
- 運動連鎖:体全体の動きを連動させる運動を学ぶことができます。運動連鎖を意識することで、より効率的な動きをすることができるようになります。
- 器具の活用:器具を活用することで、運動の強度や難易度の調整が可能になります。
就職・転職活動における有利性
冒頭でもお話ししたように、近年ピラティスを取り入れたリハビリテーションを実施している医療機関が増えています。ピラティス資格を持つ理学療法士は、まだ母数としては少なく、就職・転職活動において非常に有利に働く可能性が高いです。特に、スポーツ整形外科やリハビリテーション病院など、運動療法に力を入れている医療機関では、高く評価されるでしょう。
独立開業の可能性が拓ける
ピラティス資格と理学療法士の資格を活かして、ピラティススタジオを開業することも可能になります。しかしながら、独立開業には経営に関する知識や経験が必要となるため、ビジネススキルを学ぶといった準備が重要です。
専門性の向上とキャリアの可能性
ピラティス資格を取得することは、理学療法士としての専門性を高め、キャリアの可能性を広げるための有効な手段の1つです。ピラティスそのものへの関心も高まっていることから、ピラティスを活かせる理学療法士はますます求められています。
ピラティス資格取得から、その後のキャリアパスまで考える
ピラティスの資格と一口に言っても、種類や団体によって内容も難易度も様々です。
資格取得を決めたけど、どの資格を学べばよいかわからない…
そんな方におすすめしたい、理学療法士向けの資格発行団体を紹介していきます。
資格発行団体によってアプローチも異なる?理学療法士向けのピラティス資格5選
BASI
世界中で最も認知度が高いピラティス資格の1つ。解剖学や運動生理学に基づいた体系的なカリキュラムが特徴。マット、マシンそれぞれの資格取得カリキュラムを用意。
PHI PILATES
STOTT PILATES
カナダ発祥の団体。科学的根拠に基づいたピラティス指導に重点を置いており、独自のコンディショニングアプローチが特徴。マット・マシンそれぞれの資格取得カリキュラムを用意。
Polestar Pilates
機能解剖学に基づいたピラティス指導に重点を置いており、独自のバイオメカニクス分析ツールが特徴。理学療法士向けの資格取得コースも用意。
IHTA(国際ホリスティックセラピー協会)
体の健康だけではなく心を含む健康、より豊かにするためのライフスタイルの改善を目的としている。運動生理学・運動解剖学に基づいたピラティス指導に重点を置いており、整体師を目指す人も通うこの協会では、体の構造や形を深く学ぶことができる点が特徴。
他にも資格発行団体は様々ありますが、リハビリテーションなどの医療系を中心とした資格を発行しており、認知度も高く有名な団体を4つ紹介しました。
ピラティス資格を検討している理学療法士の方は、ぜひ積極的に情報収集を行い、自分に合った資格を選択することをおすすめします。
ピラティス資格取得後のキャリアパス
大きく分けると、以下の3つがあります。
病院や介護施設などのリハビリ施設で、理学療法士として勤務しながら、ピラティスを取り入れたリハビリテーションプログラムを提供することができます。
運動機能が低下した高齢者や、スポーツ外傷を受けたアスリート、慢性疾患を持つ患者さんなど、様々な対象者に向けてリハビリテーションを行うことができます。
まとめ
この記事では、ピラティスと理学療法士それぞれの資格の概要と、ピラティスの資格取得までの流れ、そして理学療法士がピラティスの資格を取得することのメリットなどについて、3つのポイントに分けて紹介していきました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- ピラティスと理学療法士は、動き方や考え方という点で似ている要素が多い。
- 理学療法士がピラティス資格を取得することで、より質の高いリハビリ提供が可能となり、キャリアの可能性が広がる。
- 理学療法士向けの資格と取得後のキャリアパスを知る。
ピラティス資格取得は、理学療法士にとって専門性を高め、キャリアアップを目指すための有効な手段になります。
記事を通して、
ピラティスの資格取得を検討している理学療法士の方の
「気になる」や「不安・悩み」に少しでも役立っていれば幸いです。
なお、今回の記事を読んでピラティスに興味を持った方は、
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